大学院へ進学してみたいと考えている皆さん、大海に漕ぎ出してみませんか。
皆さんはこれまで答えのわかっている問題を解いてきました。しかし、社会に出ると答えがわかっていない問題に頻繁に遭遇します。
研究とは未踏の地に足を踏み入れ未知を既知にするプロセスであり、まさに答えがわかっていない問題を解くことの繰り返しです。
新天地で、新しい物質の創製、未知の現象の解明に挑みませんか。
量子プロセス理工学専攻では、物質・材料系と電気系のどちらかの科目を選択して受験できますが、菊池研は両方の学生諸君を受け入れます。
物質・材料系の学生へ
物質・材料の示す物性や機能性は、それを構成する原子や分子の集合状態によって大きく変わります。菊池研では特異な秩序構造をもつ分子組織体を創製し、電気や光に対して多彩な応答を示す機能性ソフトマター(液晶、高分子、ゲルなど)の開発を目指します。有機合成の好きな人、材料物性に興味のある人、歓迎します。
電気系の学生へ
私たちの身のまわりで活躍している半導体や各種光学素子は電気や光と物質との相互作用を利用しています。この相互作用を行わせる物質として最近有機系物質が注目されています。その代表例は液晶ディスプレイや有機ELでしょうか。菊池・奥村研究室では、有機物質(特に液晶や高分子)の動的性質を用いて高速光シャッターや次世代表示素子の開発に取り組んでいます。それら有機デバイス材料の物性計測、デバイス化に興味のある人、歓迎します。
研究室の紹介
特長
物質研究において合成化学(もの創り)と物性評価(本質の理解)は車の両輪のようなものですが、菊池・奥村研究室ではその両方を一つの研究室内で同時にかつ相補的に行うことができます。
研究内容
キラルネマティック相
自然に学び、生物の構造や運動を現象論的に模倣し、最先端の機能材料を創ります。
液晶や高分子などの機能性分子に特異な秩序構造や組織構造を持たせ、
分子自身のもつ機能と集合形態に起因する機能を融合させ、全く新規な「ソフトマター」を創り出すことを目指しています。
そのソフトマターの構造と物性を調べ、高度なエレクトロニクス、フォトニクス機能を示す材料に応用しています。
高分子、液晶、エマルジョン、コロイド、ゲルなどの物質群を指す新しい言葉で、その学問領域は物理・化学・生物など複数の科学分野にまたがる。ソフトマターに共通する特徴はメゾスコピック領域を中心とする様々なスケールの中間的構造や揺らぎをもつ自発的な動的階層構造である。この特徴を活かした機能性材料はこれまでのハードな材料とは一線を画した新規な応用が期待される。
人材育成
広い視野と深い洞察で物性を理解し、物性の観点から高度な機能を発現する新しい物質の分子設計と創製をできる人材の育成を目指しています。
行事・セミナー
週に一度のペースで
経過報告会(プロジェクターを使った口頭発表形式)
雑誌会(最新の論文の紹介)
勉強会(基礎的素養を身につける)
を行っている。
また、節目毎にコンパもやります。
研究室の様子
・学生居室 ・セミナー室 ・物性実験室 ・合成実験室
研究詳細
菊池・奥村研究室では、液晶や高分子などの分子性物質から構成され、特異な階層的秩序構造と活発なダイナミクスを有する「ソフトマター」を創り出し、新規な電気的、光学的機能を示す材料に応用する研究を行っている。特に分子のローカルな配列構造とグローバルな配列構造の競合が生みだす巨大秩序構造を分子設計・合成・反応の化学的プログラミングと電場・光などの物理的外場印加により制御し、これまでにない構造と機能をもった物質群の創出を目指している。最近は、分子配列の緩やかなねじれ構造によって生まれた巨大格子液晶である「ブルー相」に着目しており、最近の主な研究テーマは下記の通りである。
- ブルー相の構造解析と電気光学効果
- 新規メカニズムによるブルー相の安定化
- フォトンモードによるブルー相の相転移制御
- 新規ブルー相の創出とフォトニクスへの応用
- 化学反応による液晶相制御
- ブルー相をテンプレートとする新規機能性複合材料の開発
- 高速・ラビングフリー液晶表示材料の開発
卒業生の就職先
- 平成21年度修了 日立アプライアンス、中央精機、林テレンプ、日本ガス
- 平成20年度修了 JSR、東洋紡、博士課程進学
- 平成19年度修了 チッソ石油化学、新日鉄化学、日立化成、JSR
- 平成18年度修了 チッソ石油化学、九州三井アルミニウム工業